【大安禅寺】令和の大修理~令和元年度前期~

大安寺境内の諸堂は、大型の本堂をはじめ庫裏や開山堂など禅院の主要堂宇を揃えるほか、藩主の菩提所として江戸前期から中期にかけて造営された山中伽藍が良好に保存されていること、各建物が禅宗様を基調とし、意匠に秀で、福井藩御大工の高い力量を示していることが評価されて、平成20年6月重要文化財の指定を受けました。

本堂、庫裏ともに江戸時代の初期、万治年間(1658~1660)に建立され約350年を経過しています。建立以来、維持管理のために必要な修理が行われてきましたが、破損の進行が随所に見られ、根本的な対策が必要となりました。その他、境内諸堂も建立より300年を経過し破損が目立ってきています。

このような状況のもと、今回、国、福井県、福井市の指導、補助のもと12年に及ぶ修理事業が立ち上がることになりました。 その価値を広く知って頂く為に、定期的に動画まとめ動画を配信していきます。
是非ご覧いただき福井の宝・大安禅寺に興味を持っていただければ幸いです。

【修理対象】  
本堂、庫裏、開山堂、開基堂、鐘楼、山門、宝庫、塀中門の8棟が修理の対象となります。

【修理の内容】
文化財修理の原則 文化財の価値を損ねない。むやみに解体範囲を広げない(解体個所は最小限に留める) 材料は慎重に取り扱う。破損個所は同種、同材を用いて補修し、元通りに組み立て直す。 使用できる材料はできるだけ再使用に努める 部材の取り外しは、建物の歴史解明の機会にもなる。工事と並行して十分な調査を行う。

【今後について】
修理期間中は、“国のたから”である建物のことを広く知ってもらうため、修理現場の情報発信や特別公開を実施予定です。 修理完了後は、耐震対策と防災対策も完了することから、これまで以上により多くの方に見ていただけるよう努めていきたいと思います。

【工期】   
平成30年11月~令和11年12月

【事業主】  
臨済宗妙心寺派 萬松山 大安禅寺

【設計監理】 
公益財団法人  文化財建造物保存技術協会 (東京都荒川区)

【工事請負】 
1期工事 松浦建設株式会社 (石川県能美市)

【動画制作】 
株式会社ドゥーガブレインズ

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